目が見えず、耳も聞こえない。ドキュメンタリー映画『もうろうをいきる』音も光もない世界を人はどう生きるのか??

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すこし前、劇場で公開された『映画・聲の形』という作品があった。もとは漫画が原作だ。一人の聾唖者の青春時代を通して、幼・少年期の周囲の環境、若年・青年期へ向けた心の変化などが緻密に表されていて、一言で言えば、感動した。今まで感じていた目や耳の不自由な方に対しての内面的な特別視というものが取り除かれたように感じたのだ。聾唖者はただ私たちと同じように見て、同じように感じ、同じように考えるのだということを深く理解できたように思えた。何かが無いことは何かを失っていることでなく、ただ表層的な表現方法や振る舞いが変化するのみのただ一点に過ぎないのだなとも思った。その発見から、映画『もうろうをいきる』でもそういった「一考える葦」として出演者のもうろう者たちを見ていこうと思えたし、まだ未熟な私でも同様の「考える葦」になろうと思えた。

耳がきこえないというのはどういった景色が広がっているのだろうか。また目がみえないというのはどんな音を捉えているのだろう。ではその両方であれば?耳もきこえず、目もみえない世界をもうろう者はどう生きているのか。監督自身がもうろう者の目線で、それはまじまじと特別視するわけでもなく、ただ単と彼ら/彼女らを通して、通訳者や介護士とのやりとりを通して、人間同士の繋がりのような切っても切り離せない見えない糸のような縁を映画としてエンターテイメントとして表現しています。

本作『もうろうをいきる』のシンポジウムに参加予定で、劇中にも出演する福島 智氏という東京大学の教授がいる。彼は18歳からもうろうで、氏いわく「一人取り残された宇宙」に生きて、今日まで現職を続けている。暗陰無音の空間に取り残されるもうろう者にとって、動かないことじっとすることというのは無限に等しいという。そんな彼ら/彼女らが手がかりにするものが例えば文字であったり、会話であったり、接触であったりと総じて言えば人との繋がりである。誰かがそばに居てくれて安心したという記憶はおおよそ生きていれば皆にあるだろう。そんな感覚や日常を描く映画が今クラウドファンディングプロジェクトで支援される『もうろうをいきる』である。


ーーー映画『もうろうをいきる』の一部限定公開映像はこちら

 

支援者の岡原直美さんと接触手話を交わすもうろう者の秀子さん。岡原さんの手とその動きを頼りに声にならない会話を続けていく。秀子さんは撮影中終始、微笑みを掛けながら、残された多くを使って他者との繋がりを築いている。

秀子さんの母がアルバムを取り出し、中を見せる。写真は秀子さんが働いているころの様子だった。

マッサージで収入を立てていた秀子さん。いっとき、日に六人のお客さんを抱えていたという。

手話で仕事の様子を伝える秀子さん。それを見て、同時に通訳をする岡原さんの声が聞こえる。それはやはり会話で、「そうなの?」や「ふんふんなるほど」といった動作も岡原さんの手の動きから伺える。

伝えたことを確かめるように、重なった手で同じ軌跡を描いていく。

娘さんを支えてきた母が仕事の仔細を補足して話す。口頭で。通訳支援者の岡原さんは秀子さんに手を握られつつ、両方の話を聞いて相槌をうっている。

秀子さんが視力を失ったときの様子を語り、

混乱したときの状況を説明する。当時病前に見えていた山や天井が視えなくて、ショックを受けていたという。

聴力に加え、視力まで失った秀子さんの様子を近くで見ていた母は大きく動揺したという。そのときの考えは口に出せないほど大きいものだったと。

これまで出来ていたことができなくなった。母娘二人の先行きを考え、重い決断を下そうとしたことも。

「それでも…」決断を下したのは娘を思ってのことだったが、それを覆したのも母ゆえの想いだった。

 

ーーープロジェクト参加で得られるリターンは?

・試写会への招待

・前売りチケット

・パンフレット

・DVD

・シンポジウム付き特別試写会への招待

・一回の映画上映権の譲渡

など純粋に興味があり鑑賞のみで映画を楽しむコースや、もっと奥深く映画をもうろう者について知りたいという見識者の福島 智氏や今作監督の西原 孝至氏の対談を伺えるコースがある。一口3000円から支援可能だ。DVDや映画上映では盲・聾どちらにも対応した完全バリアフリー版の公開が予定されている。前売りチケットは一般上映のため、全国の映画館などで一般向けに行われる。今では、バリアフリー向けに作られた監督の音声解説を流す、iPhone アプリや字幕解説をする特別な眼鏡も開発されていて、中にはバリアフリー対応した一般上映もあるだろう。

今作の音声解説は監督自らの声を収録している。あるところでは、音声解説があることで本来必要としない健常者の方々も「映画の内容が判りやすくなった」「一度見た内容と違った、監督の思想がより伝わってきた」と言われることもあり、DVDはそれらが含まれた完全版を贈られる予定だ。

 

ーーー終わりに。

テクノロジーが発達すれば健常者と障がい者の垣根が無くなると誰かが言った。一昔前、視力低下で眼鏡をつけることが奇妙に思われたこともあった。今では技術が発達して社会の流れも変わり眼鏡は”普通”になった。

いつの日かバリアフリーや医療技術がもっと発達して、足りないと思われている何かが埋まり、世界的な人種や性別、疾患や富貧困の差異が取り除かれ、一つ一つの繋がりが等しくなる日が来ることを願い、ここに記事を認める。

 

 

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